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KeN's GNU/Linux Diary
... 料理とDebianと雑多な記録


2015年07月21日

_ [review] 『エクストリームプログラミング』

エクストリームプログラミング
ケント ベック/シンシア アンドレス/Kent Beck/Cynthia Andres/角 征典
オーム社
¥ 2,376

オーム社さんから献本いただいた。ありがとうございます。

2005年に原書『Extreme Programming Explained: Embrace Change, 2nd Edition』が刊行、国内ではピアソンエデュケーションから『XPエクストリーム・プログラミング入門』として邦訳が出版されていたもののピアソンの撤退によって絶版。2015年、新たに角征典さんが翻訳し直し、オーム社から再び私たちの前に甦った。

訳者が変わってまったく作り直された翻訳文章は、日本語として引っかかりなくスムーズに読み進めることができ、また冗長にならない程度に適宜訳注も加えられている。

「XPとは何か」(1章)、「価値、原則、プラクティス」(3章)といった基礎的な章はあるが、本書はXP入門書ではなく、XPという一種の「生き方」を実践してみた旅の記録ということになるだろうか。本書についてはすでにtakahashimさんオーム社さんが素晴らしい紹介文を書かれており、ここで何かを連ねたところで質の低い後追いにしかなれないので止めておこう。

1つ加えるとするなら、本書の端々には——XP導入での失敗よりも主に政治層の問題で——失敗あるいは悲しい結末を迎えたエピソードが織り込まれている。とりわけ、次の一文には非常に心を打たれた(痛めた、と言うべきか……)。

組織の実際の価値が「秘密、複雑、孤立、臆病、不遜」の場合、新しいプラクティスによって突然正反対の価値がもたらされると、改善よりもトラブルを招くことになるだろう。(本書20章より)

本書が広く読まれて、これからのソフトウェアの開発の未来が少しずつ良くなるように。